受変電設備工事とは?初心者向けに仕組み・役割・流れをやさしく解説

こんにちは!
細川電設のお役立ち記事担当です。
だいぶ暖かくなってきましたね。早速ですが、弊社のお役立ち記事では電気工事や通信設備工事、その他設備工事全般に関する内容を投稿していきます。
是非これからよろしくお願いします!
では早速ですが、第1回は「受変電設備工事」に関する内容となります。
早速見ていきましょう!
受変電設備工事の概要

受変電設備工事とは、高圧で送られてくる電力を適切な電圧に変換し、建物内の設備や機器に安全に供給するための設備を設置・保守する工事のことです。工場やオフィスビル、病院、商業施設など、大きな建物では大量の電力が必要になるため、この設備が不可欠です。
例えば、一般家庭では100Vや200Vの電圧が使われていますが、こうした大規模施設では電力会社から6,600Vやそれ以上の高い電圧で電力が送られてきます。このままでは施設内の機器が使えないため、受変電設備を使って適切な電圧に調整します。
受変電設備の役割
受変電設備には、大きく分けて以下の3つの役割があります。
1. 電力の受電・変電
電力会社(例:関西電力)から送られてくる高圧電力を受け取り、施設で使用できる電圧に変換します。変電のために「変圧器(トランス)」と呼ばれる装置を使用し、施設に適した電圧(例えば200Vや400Vなど)へ調整します。
2. 電力の分配
受電設備で受け取った高圧電力を施設内のさまざまな機器や設備に適切な形で供給します。例えば、照明やコンセントには200V、エレベーターや空調設備には400Vなど、それぞれの用途に応じた適切な電圧で送られます。
3. 電力の分配
配電盤などの配電設備を通じて、建物内の各設備へ供給します。
3. 電力の管理・保護
施設内の電力供給が安定するように管理し、異常が発生した際には必要に応じて自動的に電気を遮断するなどの保護機能を持っています。これにより、過電流やショートなどのトラブルから設備や人を守ります。
以下で詳しく見ていきましょう!
① 受電設備(電気を受け取る部分)
まず受電設備は、電力会社から送られてくる高圧の電気を受け取るための設備です。
主な機器
- 高圧引込設備
電力会社から送られてくる高圧電力(6.6kVなど)を建物に引き込む設備です。通常、電柱や地下ケーブルを経由して建物に供給されます。 - 変圧器(トランス)
受け取った高圧の電気を、建物内で使用できる低圧(200Vや100V)に変換する装置です。電力の流れを適正に保つため、使用する設備の電力容量に合わせた変圧器が必要です。 - 開閉器(遮断器)
電気のオン・オフを切り替えるスイッチのような役割を果たします。異常が発生した際には、電気を自動で遮断し、設備の安全を守ります。
② 変電設備(電気を分配する部分)
次に変電設備は、受電した電気を適切な電圧に変換し、各設備が必要とする電力を安定して供給するための設備です。
主な機器
- 変圧器(トランス)
高圧電力を施設内で使用できる電圧(例:200V)へ変換します。
③配電設備(電力を分配する部分)
配電設備は、変電設備で調整された電力を、建物内の設備に適切に供給します。
主な機器
- 配電盤:変電後の電力を、用途に応じて分配。
- 分電盤:建物内の各回路へ適切な電力を供給。
④ 保護・監視システム(安全を確保する部分)
そして保護・監視システムは、受変電設備の安全性を維持し、異常が発生した際に監視・保護する役割があります。
主な機器
- 過電流継電器(OCR)
異常な電流(過電流)を検知し、電力供給を遮断する装置です。ショートや過負荷による事故を防ぎます。 - 地絡継電器(GR)
漏電を検知し、安全に電気を遮断する装置です。感電や火災のリスクを軽減します。 - 避雷器
落雷による設備破損を防ぎます。 - 電力計測機器
電力使用量を監視・記録します。
電力の流れ
次に電力の流れを見ておきましょう。
電力会社→需要家内の受電設備→変電設備(変圧器で高電圧を商用電源や一般家庭で使用できる低電圧へ変圧する)→配電設備→建物内の各分電盤
大きくはこちらの流れとなります。
受変電設備工事の流れ

受変電設備工事は、以下のような工程で進められます。
- 事前調査・設計
- 施設の電力使用状況を分析
- 適切な設備仕様の決定
- 設計図面の作成
- 機器選定・手配
- 電圧・電流容量に応じた適切な機器を選定
- 各種機器を発注・手配
- 設置工事
- 受電設備・変電設備の据え付け
- 配線工事の実施
- 各機器の接続
- 試運転・調整
- 電気系統の動作確認
- 各種設定の最適化
- システム全体の試験運用
- 引き渡し・アフターメンテナンス
- 施設担当者への操作説明
- 定期的な点検・保守作業
受変電設備工事の重要性
受変電設備工事は、電力の安定供給を実現し、企業活動や公共施設の円滑な運営を支える重要な役割を果たします。
(1) 安全性の向上 適切な受変電設備が整備されていないと、過電流や電圧変動により火災や停電のリスクが高まります。適切な設備設計と施工により、事故を未然に防ぐことができます。
(2) エネルギー効率の最適化 高効率の変圧器や最新の監視システムを導入することで、エネルギーのロスを最小限に抑え、コスト削減が可能になります。
(3) 設備寿命の延長 定期的な点検・保守を行うことで、設備の劣化を防ぎ、長期的な安定稼働を実現します。
受変電設備工事の事例
当社(細川電設)では、以下のような受変電設備工事を手掛けています。
- 工場の受電設備改修
- 老朽化した受電設備を最新の省エネ型設備に更新
- 設備の安定性向上とエネルギーコスト削減を実現
- オフィスビルの電力管理システム導入
- 需要監視装置を設置し、電力消費の最適化を実施
- 環境負荷低減とコスト削減を実現
- 病院のバックアップ電源システム構築
- 停電時に対応できる非常用電源設備を導入
- 医療機器の安定稼働を確保
まとめ
受変電設備工事は、現代のビジネスや公共インフラの基盤を支える重要な役割を果たしています。当社では、長年の実績と高い技術力を活かし、お客様のニーズに最適な受変電設備を提供しています。
受変電設備の設計・施工・保守についてのご相談は、ぜひ細川電設にお任せください。
→ 詳しくは 細川電設の公式サイト へ